SMAPは他人 ~偏食DDヲタの雑感~
自分はツイ廃だという自覚はあります。
新聞やテレビのニュース、その他ネットニュースなども目にしますが、それらはあくまで報道機関が一方的に配信しているものであり、Twitterはそれらを見た廃人達があーだこーだと意見を述べるのを流し見するのにちょうどいいツールなのです。
また、ジャニヲタ活動的に言えば、最新の現場情報から過去の名言、本日の現場レポまで、欲しい情報が茶の間や職場にいながら指先一つで確認できるという手抜きヲタ活万歳ツールでもあります。
Twitterだけではありません。ありとあらゆるメディアでSMAPが取り上げられていました。
件の生会見(あれを会見と呼ぶのかはちょっと疑問ですが)の際など、バルスでも落ちなかったTwitterがSMAPに落とされた!と、違う方向からも話題になりました。*1
さて。私も普段はほとんど見ることのないスマスマですが、当日はリアルタイムで拝見しました。
感想としては「で?」という一言しか浮かばず、何一つすっきりしないまま会見が終わるとさっさとテレビを切って最近ハマっている謎解きゲームに勤しんでおりましたが、その日からメディアは連日大騒ぎ。
「パワハラ」だの「ブラック企業」だの、様々な切り口からSMAP及びジャニーズ事務所を斬り付けようとするニュースや呟きが溢れ返り、それは今も継続しています。
ところが。
TL人口比9割8分がジャニヲタ(bot含む/残りはリア友とネタツイッタラー系)のTLでは、間もなくSMAP騒動は収束していきました。
理由は簡単。次のトピックスが続々と流れて来たからです。
最も大きかったのは、「滝沢歌舞伎に三宅健出演決定」でしょう。
だって滝沢歌舞伎。
ヲタクが大好きな滝沢歌舞伎。
そこに黄金期のトップにして奇跡のおじさん三宅健だぞ?
新橋演舞場の桟橋席でお酒飲んでタッキーこみご飯を食べながら三宅健を見られるんだぞ?
そりゃSMAPも女史も吹っ飛ぶさ!
その上、記者会見での二人も超キュート、他の出演者も早々に発表されたとなれば、ヲタクは財布とスケジュール帳との相談や振り込め用紙(not誤字)の用意に忙しくなりました。
他にも、今なら帝国劇場で上演中の「ジャニーズワールド」のレポや、関ジャニ∞の大倉忠義の容態、今週末の寒波襲来を受けての遠征組の移動手段の変更等々、ジャニヲタのトピックスは分刻みで移り変わります。
その中では、実は世間が思っているほどSMAP騒動の比率は高くないのです。
なぜなら、SMAPはジャニヲタ全体から見れば「他人」だからです。
ジャニーズ事務所というのは、厳格な縦社会です。
近しい先輩にはくん付け(かなり上になるとさん付け)が必須であり、先輩は後輩達が集まれば、スマートに奢ってあげたり、お年玉を大盤振る舞いします。
仕事上においても、後輩達は先輩達のコンサートのバックダンサーや舞台の脇役を通じて技を盗み、指導を仰ぎます。
先輩としても、後輩達を取りまとめ、自らの演出の中で活かすというのは、座長としての力量、プロデュース力を試される場にもなります。
CDの売上やドラマの視聴率といった一般的な数字だけでなく、いかに優秀な後輩を育成できたかも、ジャニーズにおいては重要な評価基準の一つなのです。
この辺は、確かにコンサートや舞台をご覧になる機会のない方には理解できない文化かもしれません。
しかし実際に、滝沢秀明がタッキー&翼ファン以外のジャニヲタから評価されるのは、彼のバックで育った後輩達がデビューし、実績を上げているからであり*2、堂本光一のライフワークである「Endless Shock」が他のファンの間でも話題になるのは、あの舞台に出演することが後輩達の一種のステータスとして認められているからです。
さらにジャニーズでは、先輩が主演するドラマや映画に後輩が脇役で出演するなど、所謂「バーター仕事」も多数存在します。
自分が応援している若手と近しい先輩に主演の仕事が決まれば、すわバーターと色めき立つのもお約束ですし、いざバーターが決まれば、主演のファンよりも張り切って雑誌等を購入し、視聴し、DVD-BOXなども揃えてしまうのがジャニヲタです。
このバーター出演には、二つのメリットがあります。
一つはもちろん、まだ実績の乏しい後輩に仕事が与えられること。
そしてもう一つは、先輩後輩双方のファンに、お互いのことを知ってもらえることです。
もしそこで、「〇〇くん目当てに見たけど、△△くんもかっこいい!」となれば、事務所的にはしめたものです。
何せお財布を開いてもらえる対象が一つ増えたのですから。
また、昔はジャニーズJr.といえば、母親や姉に勝手に履歴書を送られて強引に(もしくは僅かな金銭や食べ物で買収されて)オーディションを受けさせられたというのが定番でしたが、最近は「〇〇くんに憧れて自分で履歴書を出しました」というJr.や若手デビュー組が増えています。
ざっと見回して目につくのは、やはりHey!say!JUMPの山田涼介でしょう。「探偵学園Q」や「金田一少年の事件簿」等、男の子にも馴染みやすい作品に多数出演していることもあり、「山田くんを見た」ことを理由に挙げる子が増えています。*3
しかし、SMAPは違います。
SMAPのコンサートのバックダンサーは、全てプロのダンサーであり、Jr.がつくことはありません。
もちろん、SMAPに憧れてジャニーズに入り、尊敬する先輩にSMAPの名を挙げる後輩もいますが、現在、SMAPのバック育ちの後輩と呼べる存在はいないのです。
また、SMAP×SMAPを始めとして、個人でも冠番組を多く持つSMAPですが、それらの番組にジャニーズ所属の他のタレントが出演することも、反対にSMAPが他のジャニーズの番組に出演することも、数年前にKis-My-Ft2がデビューするまではほとんどありませんでした。
その辺の事情については、各種メディアが繰り返し報じていますから割愛しますが、要はジャニヲタはSMAPに対して身内意識が乏しいのです。
身内というと、またヲタクの妄想だと言われそうですが、本気で他のジャニーズを自分の身内だと思っているわけではなく、感覚の問題です。
先輩のファンは、よくバックについているJr.のことは何となく把握していて、「あの子に新しい仕事が決まったんだ!よかったね!」と喜びます。
後輩のファンは、バック目当てとはいえ、先輩のことをよく見ているので、いつの間にかその人の曲や作品にも詳しくなっています。
そうやって一度誰かについたファンを、縦に横に広げていくのがジャニーズ商法の一つであり、そこから完全に切り離されていたのがSMAPなのです。
本当は、さらに深く掘り下げると、飯島班のKis-My-Ft2やSexy Zone等の格差売りへの反発などもあって、飯島女史のやり方に不快感を示すファンもいるとか何とかいろいろあるのですが、その辺は割愛。
要は、ジャニヲタはSMAPに興味を持つきっかけがないまま二十数年過ごしてきた、程度に考えて頂ければよろしいかと思います。
ビジネスなんだから数字が全て!女史は結果を出している!という意見もありますが、ジャニヲタも千差万別で、数字に一喜一憂する層ももちろんいますが、単純にショーを楽しみたいだけとか、ジャニーズはタカラヅカみたいなものだから、そういう無粋な話を持ち込まないでほしいという層もいますので、あまり効果はないと思います。
以前こういう記事を書きましたが、応援の仕方やジャニーズのタレントに対する意識は人それぞれなので、SMAP騒動に対するスタンスも同じくなのです。
いくら世間がSMAPを国民的アイドルだと誉めそやし、今回の騒動を社会問題として取り上げようとしても、当事者に近いところにいるはずの「SMAP以外の」ジャニーズファンがイマイチ乗ってこないように感じる人がいるとすれば、こういう見方もありますよ、程度に見て頂ければ幸いです。
だから別に、SMAPの味方をしないから事務所を全肯定しているわけではないんですよ。
むしろジャニヲタがジャニーズ事務所に対する不平不満を本気で書き連ねたら、今SMAPネタで大騒ぎしてる人達なんてドン引きするか、完全スルーするのが目に見えてますから。
そういうのは、LINEや居酒屋の個室でやってますので、お構いなく。