重岡水滸伝 ~ひのきの棒と布の服を装備して旅立つ主人公~
変なタイトルですが、私から見た重岡大毅という人のイメージはこれに尽きます。
ひのきの棒と布の服というのは、RPG、特に「ドラゴンクエストシリーズ」*1の主人公の初期装備によくある武器と防具です。
もちろん攻撃力も防御力も下の下。このままの装備とレベル1ではスライム1匹倒すのも心許ないほどです。
もしくはグ〇ーやモ〇ゲーの初期アバターでも可。
……と言ったら、「じゃあツインは課金アバターですね!」って返してくれる君が好き。
ところでRPGの主人公というのは、ざっくり大きく三つのパターンに分けることができます。
1.某国の王子や貴族の子息、勇者の息子など、選ばれたものとして生まれ、一目置かれて育てられてきた存在。
2.山奥の村や漁村など、田舎に生まれ育った普通の子供。(ただし生まれは貴く、故あって隠されて育てられたパターンもあり)
3.異世界から召喚されたり飛ばされたり、もしくは時空を超えてきたなど、本来その世界に存在するはずのない異質な存在。
ジャニーズのメンバー(特にエースやセンター)も、割とこれに当てはまると思います。
直近で言えば、佐藤勝利くんや中山優馬くんなどは間違いなく1のタイプです。
この二人が主人公になるゲームがあるとすれば、オープニングは間違いなく王子のお誕生日を盛大に祝うお城の映像から始まることでしょう。
3は他の事務所を経るなど、少し特殊な経歴を持って入所してきた子が当てはまると思います。最近でいうと高田翔くんや平野紫耀くんあたりでしょうか。
坂本昌行さんなどは、おそらく一度自分の世界に戻ったものの、やっぱりやり残したことがある!と、自らワープゲートに飛び込んで再び異世界へと舞い戻ったパターンだと思われます。(そして伝説へ)
そして今回メインに挙げた重岡くんは、間違いなく2タイプの主人公です。
私の中で一番イメージに近いのは、「幻想水滸伝2」*2の主人公です。
先の戦争の英雄に拾われた戦災孤児で、同じく拾われて一緒に育った義姉のナナミや幼なじみのジョウイらと田舎町で平和に暮らしていたのに、様々な事件に巻き込まれていくうちに、いつの間にか新都市同盟のリーダーという立場に置かれるようになるという、まさに2タイプの主人公。
ビジュアルも割と重岡くんに似ていませんか?
余談ですが、1タイプの主人公でいえば、同じシリーズの「幻想水滸伝5」の主人公。
こちらは美少年で王子様。立場的には危うくてお飾り扱いされていたけれど、国の危機に際して立ち上がり、最終的には英雄になるという典型的な1タイプです。
ついでに3タイプの異世界からの勇者様といえばこちら。「スターオーシャン セカンドストーリー」の主人公。クロード・C・ケニー。
個人的にはコミック版が好きです。(というどうでもいい話)
さて。話を重岡くんっていうか2タイプの主人公に戻します。
このタイプの主人公は、そもそも周りからあまり期待されずに旅立ちます。
当初は世界を救うとかそんなことは想像すらしていません。
ただし、もともと田舎の村でのんびりと暮らしていた子が突然世界を旅するのですから、それ相応の理由が必要になります。
例えば故郷の村を焼かれるとか、無実の罪で処刑されかかって逃げ出すとか、突然ヘビーな状況に置かれて仕方なく故郷を離れるのです。
RPGの主人公というのは不思議と周りに人が集まってくる魅力がなければいけません。
なぜなら仲間を増やしていく必要があり、彼になら力を貸してもいいと思わせなくてはいけないからです。
そして何より、「頼まれたらNOとは言えない究極のお人好し」でなければ主人公は務まらないのです。
だって突然魔物退治や護衛を頼まれるんですよ。なのに断るという選択肢を選ぶと話が進まないんですよ。それ選択権ないやん!ってやつですよ。
2の主人公も追い詰められて逃げ出すことになります。
おてんばなナナミ姉さんと一緒に逃げる主人公……そう、まるで智子と大毅です。ナナミ姉さん結構強いしね。
そうこうしているうちに、主人公の「人を惹き付ける魅力」に目を付ける大人が出てきます。
いつぞや桐山くんが重岡くんに言ったのと同じ、「あなたが一番(この仕事に)向いてるから」というやつです。
たぶん照史くんがクマさんことビクトール*3で、濱ちゃんは大切な人を失くしたフリック*4でしょうか。
そうなると、軍師のシュウ*5は淳太くんですね。富豪だし。
ツインは幻想水滸伝シリーズではおなじみの青いのと赤いのでしょう。
正面切って上司に盾突くマイクロトフ*6が望で、飄々としつつも正義は曲げないカミュ―*7が流星さんかな。
主人公よりも周りのキャラが濃いのもRPGのお約束ですね。*8
幻想水滸伝、特に2の主人公は本当に「普通の子」です。
昔の英雄に育てられたものの、少し武道を嗜んでいた以外は、真っ直ぐで素直で素朴な少年です。
自ら称するほど「普通」の重岡くんですが、コンサートなどで見せる姿、聞かせる言葉はまさに主人公そのものです。
もちろん、他のメンバーもそれぞれがステージの主役であることに違いはないのですが、「王道」「正道」を往く人というのが、私の中での重岡くんのイメージです。
派手な色は人目を惹きますが、同時にそれを煩いと感じる人も出てきます。
しかし普通のものをつまらないと感じる人はいても、拒否反応を示す人は少ないでしょう。なぜならそれが普通、スタンダードだから。
重岡くんの「普通」は没個性という意味ではありません。
ビジュアルやキャラが派手で濃いメンバーに囲まれる中、センターに立つ彼が「普通」を貫き通すこと自体がすでに彼の個性、そしてそれもまた一つの「主人公属性」なのではないでしょうか。
*1:スクウェア・エニックス(旧エニックス)から発売されているファミコン時代から続く有名なRPG。通称ドラクエ。
*2:コナミから発売されたシリーズ第2作目。108人の仲間を集める壮大なストーリーとキャラクターが魅力。個人的には2が一番好きです。
*3:結構いろいろシリアスな設定を背負っていて汚れ仕事も厭わない人。大人になると良さが分かるタイプのキャラ。
*4:昔の戦争で恋人を失くした。パラメーターで運の値を下げられるくらいの不幸キャラ。でもイケメン剣士。
*5:性格に難ありと称される美形軍師。師匠に破門された後、軍師の才を商売に利用して大成功を収めていた。
*8:主人公はプレーヤーの分身なので、できるだけ普通のキャラにするという面もあるそうです。